キリマンジャロ登山

タンザニアどうでしょう 第48夜

2014年8月6日~8月18日のぶらりキリマンジャロ登山&サファリ旅の記。
将来、歳喰った時の為の備忘録としてココに記す。
 
【前夜までの「タンどう」】
登山DAY4。8/11。4時間強の山行を経て、本日のお宿・カランガキャンプへと到着した我々チームぺぺぺ。周囲は白いガスに囲まれ、お世辞にも天気がイイとは言いがたい。乾いた風は冷たく、赤道付近の緯度とは言え、やはりここが標高4,000mの高地であることを実感させる昼下がり。特にすることもないメンバは、思い思いの午後を過ごすのだった。

 
 
 
やや斜めに開けたキャンプ地。
そして、やや季節外れ感を感じさせる疎らに咲いたテントたち。
 
本日のお宿カランガキャンプは、我々のような高度順応日を加えた6泊行程のツアー参加者が宿をとる場所なため。5泊な方々はココを素通りし、もう一つ先のキャンプ地まで向かうのだという。
 
 
次のお宿というのがバラフキャンプ。それは山頂アタック前、最後の宿。
 
我々にはまだ一泊の猶予があるにせよ。
泣いても笑っても、24時間後の我々も。
とうとうその最後の宿に到着している予定なのである!
 
そして、36時間後。
明日の昼から、さらに時計がもう一回りする頃。
 
行くと決めてから2年半の時を経て、ついに!
あのアフリカ大陸最高峰のテッペンへむかってアタックを開始するのである!!
 
 
なんだか流石に緊張感。
 
 
「ホントにノボリキレルのかしら。。。」
「ホントにサンチョウにタテルのかしら。。。」
 
 
実はこの時、前日に悩まされた高山病と思われる頭痛症状が、キャンプ地に到着した頃から再び現れてきていたのだった。体調が万全では無いという状況が、おいらの心を余計に焦らせ始めるのだ。
 
 

 
そして周囲のドヨンとした天気と冷たい空気も、おいらの気分を滅入りさす。
 
気温は10度もあっただろうか。
天頂で輝いているはずの、昼過ぎの太陽の光も射さない標高4,000mのキャンプ地。
 
今にも小雨が降り出しそうな天気の中。
荷物の整理を終えたおいらは、マイテントの中から顔を出そうと。まさにそのときだった。
 
 
 
。。ジャージャージャー
 
何処か遠くで大粒の水しぶきを上げる音。
 
 
 
「え?雨??」
 
「マジで?しかもかなりの雨足な音なんですケド。。。」
 
 
登頂アタックを翌日に控え、こんなにも気分が滅入っている中。
 
「この寒さの中で大雨だけは勘弁してくれよぉ〜」
 
 
 
…。
 
 
「…ん?」
 
 
テントから出てみても、相変わらずのドンヨリとした低い雲が立ちこめているだけで。
身体に雨があたる気配は一向に無かったのだが。。。
 
 
 
。。。。ジャージャーー
 
 
 
確かに聞こえる大雨の音。
 
 
「??」
 
 
 
辺りを見回し始めたとき、私は目を疑ったのだった!
 

 
「…って、ちょっ!おい!!」
 
 
 
大雨と思われた水の音は。
そう、我々チームのメンバの一人が、マイテントの先でアタマを洗っている音だった!!
 
 
…。
 
一瞬、なにか私の知らないところでUNO大会でも催されていて、罰ゲームにでも臨んでいるのかとも思いましたが。。。
 
事情聴取の結果。
なんでも、山行中に何処かでアタマに傷を創ってしまっため、念のために洗っておいたとのこと。
 
この寒さの中。
標高4,000mの冷気でめっぽう冷たくなった持参の飲み水を使い。
自らのアタマを清める彼女。
 
 
その様子を見ていて、「水曜どうでしょう」の企画でユーコン川をカヌーで下る大泉洋が、大自然の中で荒々しくシャワーを浴びる画が浮かんだおいら。
 
「うーん、今度から女 大泉洋と呼ぶことにしよう! うん。」
 

 
そんな驚きのキリマンジャロ荒々洗髪事件の直ぐ後。
今度はツアー添乗のマロン隊長が、美味しそうな匂いと共にインスタントラーメンを持ってやってきた。
 
 
「良かったら食べませんか?」
 
 
見ると、暖まりそうな辛そうなラーメン。
聞くところ、ツアーメンバのYさんが韓国人パーティの方々から戴いたお裾分けのラーメンだったらしい。このキャンプ地に至る山行中に追い抜かれた彼のパーティ。
 
そんなお初にお目にかかったパーティと一瞬のうちに仲良くなり、その上、お裾分けラーメンまで戴いてくるとはっ!
 
 
我々ツアー参加者唯一の男である私は、彼女たちの荒々しく社交性逞しい姿に、敬服の念を抱かざるを得なかったのであった。。。
 
 

 
やがて昼食をすませた頃。
メンバの何人かは、コレと言ってすることも無い午後の時間を各々のテントで昼寝などして過ごしていた頃。
 
先ほどまで雲に覆われていたキャンプ地の向こう側。キリマンジャロ山頂方向が、俄に青く晴れ始めたのであった!
 

 
急いでカメラを持って駆け付けるおいら。
 
「全景はよっ!」
 
 
頭痛も忘れ、一気に雲が晴れるのを望むおいら。
 
。。。しかし、結局一部の姿だけを現し、やがて再び雲の中へ隠れてしまったキリマンジャロ山頂。
 
 

 
疎らに白く輝くものを置いて、斜めに傾いた陽の光を浴びた山頂は、なんとなく神々しささえ感じました。
 
 
その時の時刻から約36時間後、
 
「アノサンチョウニ、タッテイラレルノカシラ…」
 
ややの緊張感と不安に包まれたおいらは、決して叶わぬ恋をする気分で、山頂の方角を見つめていたのでありました。
 
 
 
…。
 
キリマンジャロ山頂をちょい見したおいらは、夕食までのひとときを食堂テントで過ごす事に。
 
テントには、二日目のキャンプ地で談笑した、別の日本人パーティのメンバが一人遊びに来ていました。
我々とは違い、旅行会社の手を借りずに、男4人でやってきたパーティ。聞くところ、他の3人は高山病の症状によりテントでお休み中だということで。元気な彼と、我々メンバの何人かでマッタリな談笑時間を暫し楽しむことに。
 
 
 
「いやー、我々ずっと、そちらのパーティを『日本隊』と呼んでるんですよ〜笑」
 
 
思いの外に日本人パーティに出会うことのなかった、このマチャメコース。複数ある登山ルートの中で、日本人がよく登るメジャーなコースは、かのイモトアヤコも登ったマラングコース。故に、今回30人以上のガイドやポーターを帯同する我々8人の日本人パーティは目立つらしい。
 
 
「日本隊なんて呼び方、なんか照れるじゃ無いですかぁ〜」
 
 
同じく高山病に悩むおいらではあったが、なんだか日本を代表して来ているかのような呼び方にくすぐったい気持ちww
 
 
 
その後も、たわいの無い会話が続き。なぜか話題は私の財政に関する施政方針に及ぶ。
 
 
おいら「いや、実はこのキリマンジャロ登山の旅費のお陰で、帰国後しばらくはフリカケ生活なんですよねー」
おいら「宵越し、というかキリ越しの銭は持たない主義なんですよーーHA HA HA。」
 
一同「スゴいですねー。。。」
 
 
おいら「あ、でも大丈夫!この秋、シンガポールのカジノに行く予定があるんで、来年辺りはモンブランを登ってますよー」
 
一同「おおっ!」
一同「したら、その際はお誘いお待ちしております!」
一同「是非お相伴にあずかりたく存じます<(_ _)>」
 
 
おいら「いいとも、いいともさぁ〜 HA HA HA!」
 
 
一同「楽しみにしてますね!」
 
 
おいら「HA HA HA〜!!」
 
 
 
 
…。
 
あれから9ヶ月。
カジノには行ったものの。
いまだにモンブラン計画実現の目処は立っていないのであった。。。
 
 
 

 
遊びに来ていた彼もテントに戻り、やがて夕食タイム。
 
四日目の夜は更けていくのであった。
 
 
いよいよ五日目!
第49夜へ!
 
 

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