キリマンジャロ登山

タンザニアどうでしょう 第46夜

2014年8月6日~8月18日のタンザニアぶらり登山&サファリ旅の記。
将来、歳喰った時の為の備忘録としてココに記す。

【前夜までの「タンどう」】
登山DAY4。8/11。とうとう山頂アタックまで48時間を切って迎える4日目の朝。高山病と思われる頭痛に悩まされた前夜、初めて頭痛薬を投入したおいらは、そのお陰かなんとか体調を取り戻して目が覚める。凍てつく早朝の空を眺めながら、山頂アタック本番の日を徐々に意識し始めた。

午前六時。
前日言われた起床時間より少し前に目が覚め、テントの外へと顔を出すおいら。

「うっ、、、さ、寒い。。。」

心なしか昨夜よりも広く大きく感じられたバランコキャンプ。それもそのはず、視界を遮り辺りを重く包んでいた霧たちは、いつのまにやらその姿を消し去り、日の出前に西の空で存在感を放つタンザニアの満月が、遙か遠くのテントに至るまで全ての周囲を明るく照らしていたのだった。

雲が所々うっすらあるモノの、天頂が東の空から新しい色に染まってくる。起床時間が近づき、各自のテントには灯りが点り出す。渓谷のキャンプ地だけに陽の光の訪れは遅く、何かが何となく足りない薄暗い朝。マロン隊長と給仕係のゴディさんが、モーニングコールを兼ねたモーニングコーヒーを持ってテント前にやってきた。

凍てつく空気の中で戴く、暖かいコーヒーがこの上なく旨い。キリマンジャロで迎える凍えるような朝。脳裏には俄にネスカフェゴールドブレンドな曲が流れ始める。

コーヒーマグカップを片手にして、自分は新鮮な空気に身を任せるのだ。

「こういう自然の中でコーヒーを戴く。。。」
「ふぅー。…いやぁ、オレって上質を知る人だなぁ〜(^_-)」

しかし、自分で悦に入りかけた、まさにそのトキだった。。。

かぁーかぁーかぁーーー

「って、おいww!」

かーかぁー

「オレのゴールドブレンディーなモーニングタイムを邪魔するなって!!!」

かぁーかぁーかぁぁーーー

…。

閑話休題。

チームメンバは食堂テントで朝食を戴き、足早に身支度を整える。四回目の朝ともあって、出発の準備は手慣れたもの。起床後一時間で全員準備完了!折角なんで、ここでキリマンジャロ山頂をバックに記念撮影を致しました。

(C) TEAM PEPEPE

いやもう、山頂がバカみたいにデカすぎるもんで。我々と一緒に山頂全部を写そうと思うと、誰が居るのか全く判らない写真となってしまう、、笑

気が付けばもうこんなに近くまで来てしまったのです。山頂アタック日まで、早くも48時間を切った今日の山行がイマ始まります!

んで、お決まり。
四日目の工程を軽くご説明!

“Map of the KiLiMANJARO NATIONAL PARK (C) 1998 AND 2003 BY GIOVANNI TOMBAZZI”に道程を追加

本日は高度順応日。
バランコキャンプを出発する我々は、標高4,000m辺りの高度を保ったまま、昼過ぎには本日のお宿・カランガキャンプに到着してしまう日程。

基本的には短時間で楽な行程と思わせつつ。しかし実は本日、のっけから最大の「壁」が待ち受けているのでした。

その名もバランコウォール。

キャンプ地の目の前にある、ドデカい壁。
朝食をとった後、登り始め直ぐに立ち向うことになる壁であることから、通称「ブレックファーストウオール」とも呼ばれる。標高差およそ250m。

いきなり戦意を喪失させるバカでかさ!思わず、どこかにロープウェーかなんかの乗り場が有るんじゃ無いだろうかと、一瞬周囲を見回してしまうほど 笑

…しかし、ここを越えなきゃ、今夜のお宿に辿り着けないとあれば、否が応でも行かねばならぬ。。。

ステップバイステップ。ここまで来られたんだもん、行けるはず!

一瞬の怯みを忘れ、チームPEPEPEの8人は。
頼もしい4人のガイド達と共に歩き始めたのだった。



。。。しかし、登り始めてみると。
出発前に考えていたよりかは意外と登りやすい。確かに、一歩踏み外せば昇天出来ちゃうポイントも幾つかあったモノの。歩くスピードはポレポレ(ゆっくり)だし、ロープなんかを使ったファイトーォーイッパァーツな場所は何処にもなく。危険な箇所では、経験豊富なガイドさんらが安心確実フルサポートしてくれる!

そして出発からおよそ一時間。出発前に怯んでいたことなど一切忘れてしまっていた頃。
振り返ると、先ほどまで居たバランコ渓谷が、うっすらな青空の下でまるで完成度の高い箱庭の様に。朝日を浴びて輝いているのが目に飛び込んできた。

「おー、めっちゃ登りましたねー!!」

目の前の渓谷には。昨晩泊まったキャンプ地の他、先の見えない濃霧の中で歩いたキャンプ地へ至る長かった下り坂がハッキリと見えていた。しかしそれは、イマここから改めて眺めてみると、あれだけ長いと感じていた割には、大した長さだったようには見えなかったのだが。。。これは、キリマンジャロの雄大な自然の中に身を置いていて、小さなおいらの感覚が麻痺し始めてきた証拠だったかもしれなかった。。。

そう、丁度その頃。
私と同じように、やはり感覚が麻痺してしまったのか、はたまたクライマーズハイとなってしまったのか。チームPEPEPEメンバの一人が、解釈することが非常に困難な、謎の行動を起こし始めたのだ。それは、何の脈絡もなく、いきなり大声を上げて笑い出すという行動。。。

「おーほほほほほほ〜!!」

それはまるで。
上◎恵美子が、「淡路島は、うちの地所よー」と言う時のようなセレブな笑い声。

するとつられてガイドも笑い出す!
「キリマンジャロは、オレの地所だぜー」

…。

まぁ、そう思ったかどうかは判らないが 笑

でもま、そんなホラ話に花を咲かせられるほど、バランコウォールは見た目ほどはキツくもなく。出発して約二時間ののち。やがて壁のてっぺんに到着した我々、しばしの休憩を取ることにしたのだった。

さぁ、第47夜へ!

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