2014年8月6日~8月18日のタンザニアぶらり登山&サファリ旅の記。
将来、歳喰った時の為の備忘録としてココに記す。
【前夜までの「タンどう」】
登山DAY3。8/10。今夜のお宿・バランコキャンプに向け、悔しいかな折角稼いだ位置エネルギーを。江戸っ子は宵越しの銭を持たねぇぃぜぃ!とばかり思い切り下る登山道。標高3,900m。キャンプ地に向かう、濃い霧に閉ざされたバランコ渓谷は、初めて見る独特なキリマンジャロ植物で溢れていた。
とにかく長い下り坂。
我々が歩くバランコ渓谷は、いつしか射し込む光も失われ。匂いのない、湿った煙のような薄ぐらい霧に包まれていた。時折、後ろから元気な外国人パーティに追い抜かれ、やがて彼らは目線の先に消えていく。
そんな、ゴールの見通せない登山道。いい加減に歩き疲れ始めた我々チームPEPEPEの面々は、そのイライラの矛先を添乗員のマロン隊長に向け始めたのだった (^^;)
我々「マダですか〜???」
隊長「もう、ちょっとだと思うんですけどねぇ〜」
…。
我々「もうちょっと経ったと思うんですケド、、マダですか〜???」
隊長「あとちょっとかと、、、」
目指すキャンプ地が目の前に見えさえすりゃ良いんだけどさ。霧で見通しの利かない道をただひたすらに歩くのは確かにキツかった。まして今日は、出発からすでに7時間以上を歩いているだもん。普段の会社の勤務時間的な感覚では、そろそろアフターファイブのことを考え始めている頃なのだ。そう考えると、なかなかの長時間を歩いている達成感に襲われる。
そしてついに!突然に道が左右に開け始める瞬間。
眼前には、霧の中から飛び出した色とりどりのテント達!
「あっ!着いた! やっと着いたぁ〜!!」
誰かの安堵を叫ぶ声。
夕方16時前頃(だったと思う。。)。出発から8時間弱の時間を経て、ようやく到着のバランコキャンプ。本日のお宿。
自分周囲の他、空も地面も全てが霧に包まれた場所だったが、確かに感じる人の気配。視界が無いため、一体どんだけ広い土地なのか見当さえつかない。そんな、きっと狭くはないキャンプ地を、先頭のサイモンに連れられ歩くこと、さらに5分。
果たして我々のテントに到着!
相変わらずのテント争奪じゃんけん大会を開催の上、今夜もおいらはロンリーテント。。。
我々メンバーは、ポーターに預けていた荷物を受け取り、とりあえず各自のテントで小休憩をとることにした。
…。
しっかし、立ち止まると余計に強く感じるアタマの痛み。
高山病によると思われる頭痛は、高度の下がったバランコキャンプに到着しても。快方に向かうどころか、かえってより一層酷く痛み出す orz
「ぬぅ、、いったいなぁ〜。。。イタい!」
「って、これ、症状悪化してんじゃないのぉ〜!!」
やがて同行メンバーらは食堂テントに集まりはじめ、出されたポップコーンなどつまみながら。今日コレまでの一日を振り返り、夕食までのひとときをワイワイ談笑して過ごし始めるのであった。
一方のおいらは、アタマ痛すぎ。談笑の輪に交わってるフリをして。顔で笑って心で泣いて。とてもじゃないけど、まったく談笑する気になれない状況なのです。。。
昨夜のキャンプ地より、やや高度を稼いだ本日のお宿は、それなりになかなか空気が冷たい。それはハッキリ「寒い」と断言できる気温。布一枚を隔てたテントの中にも、遠慮無く冷気が迷い込む。そして、その空気がおいらに余計な疎外感を感じさせ、アタマの痛みをより一層際立たせるのだった。。。
「ああ。ついにこの時が来てしまったようだな。。。」
「んん。。出来ることなら、コイツだけは。。。」
「そう、コイツだけは。。。。。」
「最後の最後になっても使うようなマネだけはしたくなかったのにぃ。。。」
「誓っていたのに…!」
「ココまでおいらを追い詰めるとは。。。」
…。
「フフ・・・。」
「さすがだよ。。うん、流石だ!いや大したもんだ!」
「大学生の頃に襲われた椎間板ヘルニア。そして初めての入院経験となったザ・細菌性胃腸炎。その他、30数年にわたる人生での多くのイタい過ち。。。」
「それら痛みに耐え抜き。そして耐え抜いてココまで来たっていうおいらを。。」
「いとも簡単に。容易にココまでおいらを追い詰めるとは。。。あんた流石だよっ!!!」
「いや、もう後悔はしないよ。。」
「私の判断は一点の曇りなく妥当なものだ!」
「仕掛けてきたのはそっちの方だしな。。。」
「誰の、指図も受けんよ」
「使うか?」
「使わざるを得まい………。」
「ただ・・・無念だ。」
「頭痛薬の歌 〜プライドを捨てた貴方のために〜」
第45夜へ!
※参考:ドラマ「白い巨塔」
※本作は演出上、自身の体調不良に対して過剰なまでの我慢を強いる体験が綴られております。しかし、高山におけるこの様な我慢は命取りになりかねません。万が一、キリマンジャロで頭痛に襲われた場合は、速やかに同行のガイド若しくは添乗員にその旨を伝え、適切な指示を受けましょう。本作を参考として取ったいかなる行動の結果に対しても、著者は責任を負いませんww