2014年8月6日~8月18日のタンザニアぶらり登山&サファリ旅の記。
将来、歳喰った時の為の備忘録としてココに記す。
【前夜までの「タンどう」】
登山DAY3。8/10。昨日よりさらに大きな姿を現すキリマンジャロ山頂に見守られ、半砂漠な岩だらけの大地を黙々と歩いて行く我々一行。一旦、高地順応を兼ね、標高4,600mのラバタワーまで寄り道をしつつ、本日のお宿・バランコキャンプに向うのだった。
えー、既にこの「タンどう」本編において告白済みなのですが。。。
わたくし、実は今回の旅に出掛けるにあたり、ちょっとばかり日和りましてですね。
いつもなら決してやらないコトをやってしまっていたのでした…Orz
ええ。
そう、それはお金をケチって、広角レンズを買わなかったという。。。
…これだけの大自然。
標準レンズでは決して収まりきらないであろう、大迫力の世界が広がっていることは想像に難くなかったんですがね。。。
普段の旅であれば、一応他人には見えない糸目を付けた上で、「宵越しの銭は持たねぇ主義だぜぃ!」と元気に風上のお店に飛び出していっていた訳なのですが(←要は見栄っ張り、、笑)。 どうにも、今度のキリマンジャロにおいては、その旅費が予算を大幅に上回りましてね。。。糸目をしっかり付けとかないと、帰国後しばらく、フリカケは買えても掛けられるモノが無い生活に陥りそうだった訳でして(^^;)
泣く泣く広角レンズの購入は見送ることにしたんでした。。。
そして帰国後。
撮った写真の数々を見返すと、やはりなんとなく。あの時の感動が見切れた微妙な画が写っているではあーりませんか!
ということで。
コレまでも、一部写真は同行者のモノを使用させて頂いておりましたが、今後はあからさまにドンドン使わせて貰うことに致します!笑(「(C) TEAM PEPEPE」のキャプション付きのモノがそうです。)
「タンどう」を観て読んで、現地へ行ってみたくなった方が一人でも現れるコトを祈ります?
出発地のシラーキャンプから30分ばかりが経った頃。
だいぶ高くに登った陽の光を受け、そしてややキツイ坂道を歩いたが故の衣服調整、小休止。
登山における、朝の衣服セレクトはいつだって難しい。
寝起きの朝の空気を基準にして厚着で登り始めようもんなら、ものの数十分で汗だくだく。とてもじゃないけど我慢なんて出来やしない!かといって、それを見越しの薄着で登り始めようもんなら、場合に寄っちゃ寒くて寒くて風邪引いちゃうし。。。
まして、ここは標高4,000mに迫ろうかという、自分に取って未知の世界。一体どのくらい着込んで発てばいいのやらやら。。。
ま、結論としてはこまめに脱ぎ着すればいいんだけども。
…。
メンバーは、小休止ついでに水分を補給したり行動食を口に入れたり。しばしの休息をそれぞれ楽しんでいた。
日差しはあるモノの風はやはり冷たい。
そんな空気を受け、おいらは若干ながら、用を足したくなる気分。
「あ、えーっと。ちょっと用事を思い出したんですが。。。」
添乗のマロン隊長が答える。
「あ、どこかその辺の岩陰でおねがいしまーす。」
トイレのない場所では、当然の返答。予想通り大地がトイレです!っと。
…いや、別に。衝立のないトイレ、別にイヤじゃないんだけどもさー。
岩陰に隠れれば、何らの問題もありませんし。別にイヤじゃないんだけどもさぁー。
。。。
だってねぇ。
周囲には、大地にポツンと佇む岩しかないわけでして。。。
…。
こんなに拓けた大地です。。
岩陰ったって。後ろの方向から見れば陰になってないべさ!笑
結局。おいらは、我々ツアーメンバーからは陰になっていると思われる場所を探し、用を足し始めるのであった。
前を隠して尻隠さず 笑
ええ。フイと横をみると、後ろに見える登山道を別のパーティが歩いているのがよーく見えましたとさ 笑
……。
閑話休題。
そして再び歩き始める我々8人。
一方。後から出発したはずのポータ達は。
相変わらずの重量感タップリ荷物をアタマに乗せ、そして凡そ登山には向いていないであろうペラペラの靴を履いて。気が付けば、いつの間にやら我々に追いつき、追い越していくのだった。
そんなポータ集団を見送る我々8人。とガイドの4人!
そう。実は。
今回の山行には、8人のパーティの他に4人ものガイドが同行しているのである!
パーティの人数にも寄りるものの。8人のパーティにしては明らかに多いガイド計4人。
そして今日の先頭はサブガイドのサイモンだった。
サブガイド、、、っていっても、普段はメインガイドを張るいずれも経験豊富な男達。
一旦緩急有れば、登山者を背負って麓まで連れて行くコトだって出来てしまう屈強な男達だった。
そんなガイドが計4人。。
…まさに文字通り。船頭多くして船山に登る、を地、、というか字で行く陣容 笑
今回のツアー企画が「初心者がゼロから始める登山 キリマンジャロへの道」と言うこともあり。旅行会社の厚意により最強万全の体制がとられていたのだ。
このころ。8人のうち、何名かは。
ややキツイ坂道により、徐々にペースが遅れがちになってきていた。
そこでとられたのが山行トランスフォーム作戦!
要は、二手に分かれて登るという。。。
しかし、こんな事もあろうかと集められた屈強なガイドたちです。
首尾良く二手2人ずつに分かれ、事無くそれぞれのパーティをガイドすることになっていたのだった。
そしておいらは先行するパーティ。
ある程度、先を急いだところで、続くパーティを待つため暫し休憩をとることに。
気が付けば、そこには。
いよいよ巨大に迫るキリの山頂が、無言のまま我々を見下ろしている姿があった。
それは、あまりに巨大すぎるが故。まるで近くに浮かぶ蜃気楼の如し。
空虚な威圧感だけが、ただただその場の空気を支配しているかのようだった。
眼前に続く登山道。
そこには、小さな黒いアリのような人間達が。
ゼロ次元の巨大な象に、勝ち目のない無謀な戦いを挑むかのよう。
「我々の行く道は、果てしなく遠い。」
そんな思いにさせる風景。
だのに、なぜ。
歯を食いしばってでも、少なくない人間達は山頂を目指すのか。。。
…。
ふと横を見れば。別のもう一つの登山道を。
同じアリ達が列をなし、山頂目指して歩いているのが目に見えた。
そんな我々人間達を。
無言のキリは、ありのままの姿で迎えてくれているようだった。
第41夜へつづきます!