タンザニアどうでしょう 第39夜

例によって、DAY３の行程をご案内！

東に方向を変えた登山道は、昨日よりさらに大きく姿を成長させたキボ峰を左手に。前日までの２日間とは打って変わり、ここからは緑の植物が姿を消し、半砂漠な岩場のルートを歩くことになる。
　
山行時間は7〜8時間程度。約10km先にある、本日のお宿・バランコキャンプに向け、ゆっくりノンビリ歩いて行くことになるのだった。

事前に写真などで見て知って、何となく抱いていたイメージの通り。植物も満足に育たない荒れ果てた、いかにも人の訪れることのない最果ての土地。いかにもな登山道の周囲の風景が、自分にとっては新しくてとても楽しいノダ。
　
　
三日後に山頂アタックを控えている我々は。まだまだ実感は湧かずとも。今日は高度順応も兼ね、一旦4,600m地点にあるラバタワーまで寄り道をすることになっていた。
　
ラバタワーと呼ばれているだけあって。ココには、”Shark’s Thooth”と呼ばれるロックな巨大タワーなど。恐らくは遙か大昔の噴火で産まれた溶岩の置き土産がゴロゴロと、岩だらけの大地にボッカリと佇んでいるという。

…。

目線を落として慎重に歩く岩場な登山道。
　
歩くこと10分。ふと振り返ると、先ほど出発したシラーケーブのキャンプ地では、朝の光を浴びて足早にしぼみ始めるテントの花畑。その向こうには、たった一日の経過など気にもとめたこともないような雄大な風景が静かに広がっていた。

「ありがとねー。いってきまーす！」

なんとなくの名残惜しさと共に。初めて歩く、荒れ果てた岩だらけの広大な土地。正面を見返すと、そこには目指すキリマンジャロ山頂が大きく迫ってくるのだ。…山頂アタックに向け、いよいよ引き返しの効かない場所に足を踏み入れたのではないかという気分に襲われた。

もはや半袖は下着にしかならない気温。そんな大地を黙々と歩く我々8人のパーティ。
　
さすがに今日は。4,000m弱のキャンプ地から一気に4,600mまで登るということで。最初は若干キツイ上り坂。出発前は元気一杯だったメンバーも、気が付けば息も上がって、会話も止まり気味。。。

…。

………。

。。。

…。。。

……………・・・。

「ぅもーぃしもし！！」

自分(心の声) 「でたっ！」

我々「…ぁハーイハイ！！」

先頭を行くガイドのサイモンが、思い出したかのように電話風の掛け声を叫ぶ 笑

ややもすれば黙りがちになる登り坂。気分も滅入り、完全に自分との対話の世界に入り込む時間。意識がハッキリしていりゃ問題もないんだろうけれども。時としてコチラの世界に戻って来られず、気が付けば転んでケガをしたり、道に迷ったり。。。そうでなくとも、パーティ全員が疲労滅入りモードになった日にゃ、折角のキリマンジャロ登山がそもそも面白くない！

そんな無言山行の気付け薬として役立った、ガイド・サイモンの電話風掛け声。
「Hello !」とは叫ばないあたりは、多くの日本人客をガイドする彼なりのおもてなしなのだろう 笑

しかし、こうなると！
負けては居られない気になる、負けず嫌いのおいら。

気付け声が必要になる絶妙なタイミングに合わせ、いかにしてコンマ何秒か早く、サイモンを出し抜いて掛け声られるのか！？

…。

つづく登り坂。
彼の叫び声で我に返ったパーティも、徐々に再びテンション滅入り気味・・・。

自分(心の声)「来た！！」

自分(心の声)「きたきたきた！そろそろ掛け声るタイミングだよな。。。？」

自分(心の声)「会話も止まったままで、なんとなく沈みがちな空気が漂ってるよね？ ね？ サイモン？？」

…。

。。。

自分(心の声)「言うか？言うか？今そろそろだよな。。。」

……。。。。。

自分(心の声)「っぃよーし！言う！ここだぁ！！」

自分「っも・」
サイモン「どくたぁーっさー！！」

自分「・ぃし。。。。」

。。。。Orz

のっけから出し抜かれました。。。
しかも新たな気付け声。

初日の自己紹介で、同行者の一人がドクターだということを受けての気付け声。
一瞬、誰かケガ人が現れたが故の、彼女を招く呼び声かとも思いましたが。。。誰もそんな様子はなく。。。

「ただ、言ってみたかっただけなのね。。。(^_^;)」

その後も折に触れて、おいらとサイモンによる早叫び気付け声合戦は続くのだった。。。

もしかすっと第40夜へ！