2014年8月6日~8月18日のタンザニアぶらり登山&サファリ旅の記。
将来、歳喰った時の為の備忘録としてココに記す。
【前夜までの「タンどう」】
登山DAY1。8/8も更け始め。賑やかなキャンプ地を行き交う人々の顔も徐々にと暗く見え始める頃。トイレも無事済ませたおいらは、食卓テーブルが広げられた大きめのテントへ向かう。今日一日の山行を語らいながら、夕食の時間を迎えるのだった。
18:00すぎ。
6時間余りの山行を経て到着したマチャメキャンプ。
赤道が近いタンザニアにあっても、標高3,000mに位置するここの空気は流石に冷たく。フリース1枚だけではどうにも寒い。プラス1枚羽織ってなんとか凌げる気温。
8人が丁度座れる大きさの長テーブル。
テーブルと言っても、ここは山奥。ましてポーターさんらが苦労して運んでくるモノだし。。きっと軽くて、でこぼこした味気ないアルミ板の上に。無造作に置かれた冷え切った食器類。。。そんなイメージを持って入った食堂テント。
食事。。。と言っても、どうせ山奥で食べるモノなんだから。簡易に作れて、やたらカロリーだけは多い、ただただ腹だけ満たせれば良いだけの不味いメニュー。そんなイメージでした。
んが!
なんということでしょう!
テーブルにはキレイに広げられたテーブルクロス!
そしてその上には、同行する専属コックが調理した、出来たてのホヤホヤ。まだまだ立ち上る湯気と共に広がる美味しそうな匂い!見るだけでさらに空腹が増してきそうな料理たち!!
事前の期待度が低かったことも手伝い、空腹ではあったモノの、やる気の無かった胃袋が一気に臨戦食事モード!
初日の夜のメニューはこんなんでした。
ちくしょう!あの時のおいしさは、とても写真だけでは表現しきれません!笑
特に、スープが激ウマ!! まさに、五臓六腑に染み渡るという。標高3,000mの冷気に包まれた身体が生き返るよう。
「え?こんな美味しい料理を毎食戴けるの!?」
「ってか、電気もガスもない場所でのキャンプなのに、これってマジ料理じゃん!」
「・・・あの、ボク、こんなしっかりとした食事なんて、普段はしたことないんですけど。。。笑」
そう。
予め麓で調理したものを運んで暖めている訳ではなく、食材そのモノを運び込み、キャンプ地毎にそれを用いて料理する形式。故にコックさんが同行。
「えーー!!ちょ、富士山の山小屋に教えてあげたいわ〜!!」
…富士登山で山小屋泊した経験がある方ならおわかりかも知れませんが。。というか、日本の一般的な山小屋で戴く夕食は、とても簡素。ご飯と味噌汁と、、あとはレトルトの缶詰やらハンバーグやら、、、。まー、日本の山は訪れる人の数が多すぎだったり、ココと違って容易に食材を運ぶことが困難な急峻な場所にあったりで、色々と難しい事情があると思います。
が、ツアー同行の大阪組の方々が事前に高所訓練で訪れた富士山の山小屋。そこでの夕食が、レトルトカレーのみ、だったということもあり。今回のメニューの完璧度に一同感動。
是非とも、このメニューで日本にレストランを作って欲しい!という声まで飛び出す程の美味しい夕食でした。
食事も終わり、夜も更け。
近くの沢から汲んで沸かしてくれたお湯を使い、砂糖をタップリ入れた紅茶やコーヒーを楽しみつつ。しばしの歓談。
人の顔と名前を覚えるのが大の苦手なおいらも、時ここに至ってようやく顔と名前が一致し始める。7人のうち、4名は大阪方面からの参加者。一年前のマレーシア・キナバル登山でご一緒した方も居たものの、再会はそれ以来。
取り立ててすることも無い、夜のマッタリ時間を共有して会話を交わすのはこの時が初めてだったかも知れない。
思えば不思議なコトではある。
普段、仕事を中心に廻る日常生活では決して出会うことの無かった人たち。共通点は、非日常な旅が好きなことだけ。
その、ほとんど初めて出会った人たちと共に過ごす一週間の長旅。普通だったら、気が合わないソリが合わないとか。色々と旅の行く末を不安に感じるトコロもあるもんだと思うのだけれど。不思議と全く感じさせない奇妙な一体感。。。。非日常旅が好きな、、、ま、いわゆる「ザ・自由人」だけが持ち得る特有な波長は、その「初対面」のカベを容易に乗り越えてくれるのだろうか。
ひょっとすると、年間数人の死者も出るというキリマンジャロの。まさに生死を共にする山旅に臨む緊張感が、我々の絆を固く強く結んでくれるのかもしれない。
標高6,000mに迫る高山。万が一を未然に防ぐ現地ガイドの存在が有るにせよ、一旦その時が訪れてしまった場合、救急車も入れない山の奥。山行中にケガや突然の病気を発症し、病院にたどり着けず命を落とす者もいるというキリマンジャロ。
確率は低くとも。そんなリスクを承知で集まった7人の自由人。
暗いテントに揺れるろうそくの灯に照らされた我々の会話は、そんなリスクとは無縁で楽しい時間と相成った。
…。
東京組のHAMAさんが思い出したように言う。
「ま、今回は参加者にお医者様もいるしねー。」
返すおいら。
「ええ、そして坊主(自分)もいますしね〜 笑」
ブラックな小話ノリの会話で弾むテント。
そう、今回の参加者のバックグラウンドは多彩。
医者に始まり、看護師、製薬メーカ、介護福祉士、…そして坊主。
「まさに、ゆりかごから墓場までですね!」
もう一人の東京組、SUさんがツッコむ。
そんな東京・釣りバカコンビ(…というか山バカ?笑)の二人に始まり、モチロン大阪組4人も実に個性的。
その夜。残り4人のキャラはまだ表には出てはきていなかったモノの、山旅が続くにつれ、徐々に醸し出される独特の空気。7人の自由人が織りなすハーモニーは、日を追い少しずつ最高の一体感を産むことになるのですが、、、ま、続きは徐々に書いていきますか。
時刻は21時を過ぎ。
短くなったろうそくの灯に見送られ、各自のテントに戻る各位。
山頂アタックは5日後。
まだまだ余裕。
さ、第32夜へ続けますか。