エジプト旅

エジプトどうでしょう 第7夜

大学院2年生だった2007年8月末。
徐に思いつき、一人で向かったエジプトの旅日記。

帰国後、mixi上に書き溜めた未完の旅行記を完結すべく、一先ず公開済み記事を誤記脱字以外はそのままの姿でリターンズしてみる!

※古い話題が随所にありますが、2007年執筆当時のママにお送りしております 笑

タハリール広場バスターミナルに到着したのは、すでに日付が変わった現地時間8月28日午前1時ごろ。

バスターミナル周辺は、
ほぼ、カイロ市の中心部。
深夜といえど、数台の車が行き交う。
新宿深夜とまでいかないけど、
それなりに人通りもあった。

バスターミナルの目の前は
エジプト考古学博物館。
あの有名なツタンカーメンの黄金のマスクを所蔵している。

それなりにでかいなぁ~と思いつつ、
手持ちの「地球の歩き方」に付属している市内地図と周囲の様子が同じであることを確認して、多少の安心感を得る。

さしあたって今夜の宿をどうにかしたい!
しかも、明日(すでに今日)は、
ついにあのピラミッドを観光するつもりやった。

飛行機内でも、まだエジプト滞在中の旅程を
あれこれ思案していたわけだが、
初日はとりあえず、ピラミッドを観光することにしていた。

ガイドブックによると、
クフ王のピラミッドの中に入るには、
朝早くに訪れて、そして限定300名のチケットを購入しなきゃならん。

「それを考えると、朝は6時には起きたいなぁ~」

時計を見ると1時過ぎ。

「飛行機でほぼ一睡もしてないのに。。。」

「5時間も寝られないのかぁ。。。。。。」

ちなみに日本とエジプトとの時差は7時間。
ただ、エジプトは現在夏時間だそうで、
実質日本との差は6時間ということ。

ゆえに日本ではその時、すでに28日午前7時すぎ。

全然眠れぬままに
灼熱の太陽の下、砂漠を歩きながら
ピラミッドを観光する!

なんだかつらいなぁ・・・。

無計画とはいえ、一応は。
ガイドブックに掲載されている、安い宿を
2、3件はピックアップしておいた。

んで、どこに行こうか思案した。

思いの外、治安が良さそうとはいえ、
深夜1時の街を、
テロ事件もアルという国の首都を、
「いかにも観光客です」な服装、持ち物、
「いかにも日本人です」な顔。

「やばいよなぁ。」
「早くホテルに入りたいなぁ。」

ガイドブックによると、
バスターミナルの目の前に、安宿があった。
予めピックアップしといた宿の一つである。

…しかし、宿泊代がちょっと高め。

他のピックアップした宿は
一泊500円くらい。
しかしそこは2000円近い。

「近いけど、でも高いなぁ。」

「ガイドブックの口コミにも
 『値段と釣り合わないビミョーな雰囲気』
 って書いてあるしなぁ」
 
 
「…とりあえずは、他の宿を当たってみよう。」

ちょっと歩いてみることにした。

するとどこからともなく、
25,6歳くらいの若いエジプシャンが
オレに向かって話しかけてきた。

「Are you Chinese?」

(俺)「No. I’m Japanese!」
…アッサラームアレイコム!」

アッサラームアレイコム。
すなわち、アラビア語で「こんにちは!」

するとそのエジプシャン。
なんだかとってもうれしそうにこう言った。

「You can speak Arabic?」

(俺)「(多分英語で)いや、挨拶ぐらいだけどね」

「(エジプト英語で)そうかぁ。
 なかなかうまく話せるじゃん!
 ところで、ホテルはもう決まってんの?
 オレの知ってるホテルは日本人沢山いるぜ!!」
 
(俺)「(心の中で)きたーーーー。
 親切に話しかけて相手を安心させて、
 ぼったくりホテルに連れて行く輩だな!
 うぜーな!ここは無視してとっとと去ろう!」

(俺)「(多分流暢な英語で)
 わりーな。もうホテルは決まってるんだ!」
 
「(エジプト英語で)ああ、そうなんやぁ。
 したっけ、気をつけて!
 イイ旅行しろよ!!」
 
(俺)「(心の中)????????
 え?もう終わり?
 本日二度目の肩すかしやなぁ。
 エジプシャン、なんまらいい人や!」

(俺)「(英語で)なんまらありがとね!
 ・・・シュクラーン(ありがとう)」
 

こうして、現地の人との最初の交流?は終わったのであった。

うーん。
「地球の歩き方」によると、
そしてインドでの経験からして、
深夜のカイロはもっと危ないといけないハズなんだけど(笑)

ふつうに地元・札幌の深夜じゃん。

気をよくしたオレは、
ピックアップしてあったホテルで、
バスターミナルから一番遠くにある、
例の日本語を喋られるオーナーのいる
「ペンションさくら」に向かうことにした。

バスターミナルからは徒歩15分くらいの距離。んでも、ほぼ道路沿いに南に歩くだけ。

後に聞いた話だが、
「ペンションさくら」の道路を挟んだ向かいは、エジプト首相官邸の建物であった。

そのため、深夜でも警官らしき人が
数十メートルごとに立っている。
アル意味、とても安全な場所。

ちょっと迷ってしまったが、
真っ暗の横道の奥に、
「ペンションさくら」の看板をみつけ、
なんとかその門を叩くことができたのであった。


(写真は翌朝撮った、さくらの前の看板)

第8夜へ。

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