エジプト旅

エジプトどうでしょう 第11夜

大学院2年生だった2007年8月末。
徐に思いつき、一人で向かったエジプトの旅日記。

帰国後、mixi上に書き溜めた未完の旅行記を完結すべく、一先ず公開済み記事を誤記脱字以外はそのままの姿でリターンズしてみる!

※古い話題が随所にありますが、2007年執筆当時のママにお送りしております 笑

いわゆる乗り合いタクシー・セルビス。
10人程度が乗れるというマイクロバス。

エジプト中を網羅しているとさえいわれている。
結構便利な乗り物。乗り合いだから、しかも安い。

セルビス乗り場では、
運転手と思われるオッサンたちが、
セルビスの周りを行ったり来たりして、
おそらくは目的地だろうと思われる単語を
大声で何度も叫んでいた。

ピラミッドをみるには
ギザ広場というところまで行けば、
あとは徒歩で直ぐにつくらしい。

はたしてギザ広場に行けるセルビスはアルのだろうか。

もう自分で探すのが面倒になった自分は、
周囲にいるエジシャンに聞きまくった。

「ピラミッドに行けるセルビスはどれなのさ?」

「ああ、あそこのセルビスだよ」

357番バス探しで何度も騙されそうになった自分は、他にも数人に同じ事を尋ねた。
すると、みんな同じセルビスを指さして

「あれに乗れば行けるともさ」

答えてくれた。

ようやくピラミッドに行ける乗り物を見つけた自分。
そのセルビスに乗り込む。
時計をみる。
午前7時30分過ぎ。

オレが乗ったとき、セルビスには他に誰も乗っていなかった。
5分過ぎ、10分過ぎ、そして15分過ぎたくらいで徐々に人が乗り始め、
時計が8時を回った頃、ようやく出発した。

(こんなんだったら、やっぱりタクシーで
 いっとけば良かったなぁ)
 
 
 
というのも、例の限定300名のチケットは
午前8時から発売されるらしかったからだ。

(もう発売されてるじゃん!)

ちょっと後悔した。

タイの時も、インドの時もそうだったが、
基本的にみなさん、運転が粗いんですな。
というか、
あの交通量で、あんなスピードで。。。
日本だったらあり得んような右左折や追い越しの仕方。

(逆に運転が上手いと言ったほうがいいのかしら?)

途中、あの有名なナイル川を渡った。

エジプトはナイルの賜物とまで言われているナイル川。

(さぞかし、砂漠のなかに悠然と流れているんだろうなぁ。)
(悠久の時を超え、現代でもまだ
 当時のままの姿でいるんだろうなぁ。)

インドでガンジス川をみたとき。
目前に広がるガンジス川は、
それなりにイメージ通りで。
長渕剛の唄、バイバイガンジスから想像していた、想像通りの川だった。

しかし今、目前に広がる川は、
世界ふしぎ発見なんかでよくみるナイル川とは全く違う。
なんだか所帯じみた川。

全然自分(のイメージ通り)のナイル川っぽくない。

普通の河川。

その辺に、
「一級河川 ナイル川」
っ看板が置いてありそうな雰囲気。

(うーーーーん。なんだかなぁ。)

結局。
あの雄大なナイル川は、
カイロ市内を流れる
ただの川だった。

そうこうしているうちに、
まったくどこにいるのかわからないところまでセルビスはやってきていた。

乗り合いタクシーやから、
乗客はみな、
それぞれの場所で降りてゆく。

乗客がオレ一人になって、
少し走っていると、
ふつうの、そう、日本でいうところの
町田みたいな町並みのところで突然停車。

「(アラビア語で)お客さん、着きましたぜ」

(?????)
(だって、ココ、まだ町中でしょ?
 砂漠じゃないじゃん!)
 
 

とんでもないところで降ろされるのか?的な
多少の不安を感じながらも、
あんなに沢山の人にピラミッド行きだと確認した事を思い出し、
英語も通じない運転手に尋ねるのも疲れるので、そこでお金を渡して降りることにした。

(太陽の方角からして、
 ピラミッドがあるのはあっちの方だなぁ。)
 
 
そう思って、
ピラミッドがアルであろう方向に歩き出した。

どのくらい歩いただろうか。

徐々に周囲の建物が少なくなり、
どっかの田舎の目抜き通りみたいな雰囲気になった。

まだ、朝だったためか、
周囲の空はモヤモヤしていて、視界が悪い。

しかし
その時だった。

ふと見上げた前方。

モヤモヤの中から、
突如周囲の色とは明らかに違う、
巨大な三角形の影が浮かび上がった!

ついに。
そう。
遂に、ピラミッドとの対面だった。

子供の頃からテレビや図鑑で見ていた
あのピラミッドとの出会いは、
想像以上になんだか感動的だった。

だって。

日本から数千キロも離れた土地の、
普通は、行こうと思わないと行けないエジプト。
そのエジプトのピラミッドを
自分は今、生で見ている。

もちろん、まさかこんな町中から
のびゅ〜とそびえ立つ姿が見られるという。
その違和感にもすでに驚いていたが、
それ以上に、その想像以上のデカさに驚きと感動。

いや。
そのデカさはもちろん想像はしていたのだ。
しかし、今目の前にいる、
想像通りのデカさをしたピラミッドは、
その場でオレの想像の枠を大きく超えて、
いまもまだ目の前で大きくなろうとしていた。

「すげ〜な」

ぽつりと一言。

気づけば。
ピラミッドの目の前まできていた。

チケット売り場の列に並んだ。

第12夜につづく。

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