2014年8月6日~8月18日のぶらりキリマンジャロ登山&サファリ旅の記。
将来、歳喰った時の為の備忘録としてココに記す。
【前夜までの「タンどう」】
登山DAY5。8/12。短時間山行の後、カランガキャンプでマッタリ過ごす四日目の夜も更け。22時過ぎに一人テントの寝床についたおいらは、またしてもまんじりともしない夜を過ごすのだった。キャンプ地は、日付も変わって五日目午前二時を廻り。おいらはふと尿意を催し、テントの外に出ることにしたのだった。
テントの中にいても、明らかに寒い。
厳重防寒を意識しつつも、出るものは出しやすいよう。
上は厚着で、下 薄着。。。ん?なんか変態?
…。
月夜とは言え、足場は悪く。
聞いた話によると、夜にトイレに出掛けて迷って帰ってこられず、極寒の大地に凍えて亡くなってしまった方もいるという、夜のトイレ。
まさに命がけのキリマンジャロ・夜トイレ。
ちょっとした緊張感が漂うテントでヘッドライトを探し。
コンタクトを外した裸眼で、眼鏡を探し。
万が一、大きいモノが出た場合に備えてトイレットペーパーを持ち。
…さぁ、忘れ物は無いかな??
「ぃよぉーし!行くぞぉ〜!」
。。。
「ぅぶぅーーー、寒っ!!」
思いの外に視界の開けたキャンプ地が目の前に広がった瞬間、
冷たい空気が身体全身を一気に襲い包み込む。
そして、ふと気付く。
「れ?ガス晴れてる??」
就寝前の白いガスはいつの間にやら晴れ渡り。
思わず自然と空を見上げてしまう。
そこには。薄雲の中、オリオン座をはじめとした多くの星々が煌めく空があった。
「!?」
後ろを振り向くと。
昼間、雲を纏って姿を見せなかったキリマンジャロ山頂の姿が。
一糸纏わず、物も言わず静かに目の前に佇んでいた。
「!!!」
思いっきり急いで、尿意も忘れてカメラを取りにテントに戻るおいら。
手ぶれで何度となく取り直した写真が上の写真たち。
「あー、やっぱり三脚持って登れば良かったなぁ〜」
「ポーターさんに持って貰えるなら、プラス1kgくらい増えても良かったよなぁ〜」
そんな後悔をしつつ。
広角レンズをムリしてでも買ってこなかった悔いも思い出し。
失意のうち、俄に尿意に襲われる。。。
木造で薄汚く立つ電話ボックスのような簡易トイレは。
月夜の光を浴びて明るいモノの、かえってなんだか不気味な雰囲気。
寝静まった周囲の静寂が、冷気と共に一層の恐怖心を芽生えさす。。。
「…ちょっとなんだか怖いんですけど。。。」
…。
誰の気配も感じない夜のトイレ、丑三つ時。
和式な穴の見えない底から、にゅぅ〜と手が出てきたら。。。
狭い個室なのに、背中を誰かに叩かれたりでもしたら。。。
そうでなくても、イキナリ天井からサソリなんかが落ちてきたりしたら。。。
思いっきり想像力豊かになった私は、どうにも怖く。
想定外の自体に備え、いつでも逃げ出せるようトイレ個室のドアを少し開け、キリマンジャロ山頂を見つめながらの公開トイレを致すことにしたのであった。。。
…キリを見つつ用を足す。。。ある意味、贅沢なトイレタイムだったのか?
閑話休題。
結局、再び充分な睡眠をとれずに過ごした夜も明け。
とうとう迎えた五日目の朝。
東の空には、遠慮しがちな薄明かりが広がり。
徐々にピンクやら薄青色に染まっていく。
…。
五日目の朝。
そう。
6泊7日行程は既に半分が過ぎ。
そして、24時間後の今頃は。
上手くいっていれば、丁度山頂に足跡を残し、下山を始めている頃。
ここまでの四泊を経て、ついに来るところまで来てしまったようです。
さぁ、例によって本日の行程!
標高4,000mのカランガキャンプを出発した我々は。
山頂アタック前の最終宿泊地である、バラフ・キャンプにいよいよ向かうのである。
ここ数日間、高度順応を目的に4,000m前後のキャンプ地をぶらぶらしていた訳なのであるが。5,895mのキリ山頂を目指す為、3時間強をかけて、ゆっくりと標高4,600mに高度を上げるのだ。
飛行機以外では訪れたことの無い4,600mの高度に足を踏み入れること自体、なんだか不思議な気持ちに襲われる。
頭上を見上げれば、日本と同じ空が広がってはいるけれど。太陽の暖かさも月の輝きも、日本で見るそれと何ら変わりは無いけれど。日本のテッペンのさらに1km上に立つという事実が、ココが日本ではないどこか非日常な場所に居ることを確かに実感させるのだ。
出発前、お世辞にも綺麗な青空とは言いがたかったものの。
昨日よりさらに大きく見えるようになったキリマンジャロ山頂の姿を受けて、東京から参加した3人で記念撮影。キリの余りのドデカさに、肝心の3人の姿は余りにも小さい。
全員の準備が整った8時半過ぎ。アタック前の最終キャンプ地目指してついに出発!
…。
おいら「HAMAさん、何か面白いこと言って下さいよぉ〜」
HAMAさん「冗談なんて、生まれてこのかた、言ったことなんて無いもん!」
おいら「…ホントですかぁ??」
持参した一眼レフカメラで撮った動画を見返すと、なにやら無茶振りするおいらの声が映ってたww
今思えば、もっと沢山動画を撮っておけば良かったぁ〜と、これまた後悔しているわけでして。特にアタック中の音声だけでも残しておけば良かったなぁと、いまさら思っているわけですが。。。
このタンどうシリーズもアタックを目の前にして。いよいよクライマックスに近づいてきたようです。音声はありませんが、その際の臨場感を文章でお伝えできるよう、次夜に向けて頑張ります 笑
乞うご期待!
第50夜へ!