エジプト旅

エジプトどうでしょう 第35夜

大学院2年生だった2007年8月末。
徐に思いつき、一人で向かったエジプトの旅日記。

帰国後、mixi上に書き溜めた未完の旅行記を完結すべく、一先ず公開済み記事を誤記脱字以外はそのままの姿でリターンズしてみる!

※古い話題が随所にありますが、2007年執筆当時のママにお送りしております 笑

2007年8月27日~9月3日のエジプトぶらり一人旅の記
将来、歳喰った時の為の備忘録としてココに記す。

前夜までの「エジどう」→

エジプト観光第1日目は、
あの三大ピラミッド群と初対面。そのデカさに圧倒。
翌日、念願の砂漠de満点星見キャンプをするため、
カイロ西方白砂漠に到着するも、東から煌々と昇る満月が、
徐々に全天の星たちを飲み込んでいってしまった。
満点星見キャンプ。・・・のつもりが、図らずも零点月見キャンプに。
翌朝気を取り直して、元来た道を戻り始めた。

時間はちょうど午前10時頃だったか。
ガイドのおっさんの運転は、砂の轍の中でも相変わらずの猛スピード。

灼熱だった砂漠とは思えない、
油断すれば寝冷えさえもしてしまう、冷気の真夜中砂漠が嘘のよう。

ランクルの窓から切り込む峻風が大胆に気持ちよい。

キャンプ地から20〜30分も走っただろうか。
前方に、昨日走ってきた舗装道路が、思い出したかのように突然現れた。

昨日の道を逆に走る。
周囲360°はほとんど地平線なんだけれども、
遙か遠くに見える霞の山が、何となくそれとなしの既視感を感じさせる。

「同じ道でも、逆向きに走ると、また風景が違うもんだなぁ」

おっさんの息子、ガエディは。
気がつくと後ろ座席で眠っていた。

おっさんは相変わらず。
黙って運転してるとカッコいい(笑)

それにしても人っこ一人いない。
対向車も滅多にない。いや。ほぼ無い。

あるのは。
ランクルがはき出す力強いエンジン爆音と切り裂く風の音。
そして、
エンタなおじさんが、
おいらを愉しませようと笑いながら話しかけてくる声。

空を見上げれば、もうスッカリ全天を支配した太陽が。
おいらの視界から、
すべての雲たちをどこか他の遠くの場所へ追いやっていた。

そして。
そんな太陽を、当たり前のように受け入れる周囲の風景。

なんだか力強く、とても壮大なものを見ている気がしていた。

今、走っているこの舗装道。
かつてこの道を作った人がいて。
そしてさらに昔。
車ではない乗り物に揺られて、
同じ道を通った人間が居たかもしれない。

彼らは何を思いながら、この道を。
そして同じ風景を眺めて歩んだんだろうか。

そして太古の昔。
ここはどんな風景だったのか。

ぶぅぉーーーーーーーーーーーーー。

ランクルが走る。

しばらくすると。

徐々に周囲の風景が黒みを帯びてきた。

そして、小さな小高の丘が見えてきた。

おっさんが車を止めて、おいらに降りるよう促した。
目の前の丘に登って、
なにやらおいらの手に石をのせる。

よく観るとそれはクリスタルの破片だった。

「クリスタルマウンテン」

そう。目の前にあったのは、
全部がそのクリスタルで出来た丘だったというのだ。

よくよく地面を観ると、
手に乗っけて貰ったクリスタルの破片が玄武岩なんかに混ざって
ここにもあそこにも落ちている。まるで地面から生えているように。

特別に美しい壮観な訳ではなかったけれど、
なんだか「地球」というのものの偉大さを思い知らされた瞬間。

その後、周囲の風景はさらに黒みを帯びてきた。
それは玄武岩が散らばった黒砂漠と呼ばれるところ。

周囲にはミニ富士のような小高い丘があちこちにみえる。
それは昔観た映画。
ドラえもん「のび太と海底鬼岩城」で描かれていた、
海底の山みたいな感じ。

ぶぅぉーーーーーーーーーーーーー。

相変わらずランクルは走る。
おっさんは笑っている。
ガエディは夢の中。

そして。

徐々に、出発地のバフレイアオアシスの雰囲気を感じさせる匂いと風景。

ああ。また来たい!
この無音の世界。
世界の喧噪から忘れられたような、地球の姿。

絶対また来たい!!
次こそ絶対。億万点の星空を観るためにっ!

…って、ここまで読み直して、なんだか最終夜っぽい展開だけれど、、、

第36夜につづくっ!笑

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