大学院2年生だった2007年8月末。
徐に思いつき、一人で向かったエジプトの旅日記。
帰国後、mixi上に書き溜めた未完の旅行記を完結すべく、一先ず公開済み記事を誤記脱字以外はそのままの姿でリターンズしてみる!
※古い話題が随所にありますが、2007年執筆当時のママにお送りしております 笑
2007年8月27日~9月3日のエジプトぶらり一人旅の記
将来、歳喰った時の為の備忘録としてココに記す。
前夜までの「エジどう」→
エジプト観光第1日目は、あの三大ピラミッド群と初対面。そのデカさに圧倒。
翌日、念願の砂漠de満点星見キャンプをするため、カイロ西方白砂漠に到着。
しかし夕日を見送ると、東空から煌々と輝く満月が登り始めた。。。
そう満点の星空は消えていったのであった。。。
第33夜は、ランクルの傍の絨毯の上で横になるところから。
時刻は夜20時頃だったであろうか。
太陽の光はもうとっくに次の世界を照らしていて、
この誰もいないこの白砂漠は、すでにとっくに夜の世界が始まっていた。
砂漠の世界は。
というより、サハラ砂漠は。
北半球に含まれるため、季節的には日本と同じで、
この8月頃が一番暑いらしい。
しかし、夜20時。昼間のうだるような暑さは、
意外にも夜の世界までには及ばないようだった。
結構、肌寒いのだ。まじで。
ちょうど札幌の真夏のような感じで。
昼間はそこそこ暑いけれども、日が沈むとそれなりに肌寒い。
あの感じ。
ガイド本には、
冬の砂漠の夜はマジで寒いから、防寒具要用意。
そう書いてあったんで、一応念のためにパーカー持ってきていた。
んで。
まぁ、パーカーを着るほどの寒さでもなかったんだが。
それでも。
半袖のまま絨毯の上に何も羽織らない状態で寝ると、
おそらくは風邪をひいてしまうような空気気温。
用心のため、パーカーを羽織って、
ランクル前の絨毯に横になった。
おっさんはガエディとおいらに、
掛け布団の意味で毛布を渡す。
満月が高度を上げるにつれ、
周囲の景色はますます、明らかに違う空気に満たされていった。
昼間とは違う時間が流れる、満月の光の世界。
大いなる月の光が、明らかに昼間の時間を追い出して、
この誰もいない無言の世界を支配し始めているようだった。
突如、小学校の学芸会で演奏していた、
くるみ割り人形の「金平糖の精の踊り」が、
はるか耳の奥で聞こえてくるよう。
それにあわせるかのように、
さっき食べて、キャンプファイヤーの中に投げ入れたチキンの骨や、
食後に飲んだチャイの出がらし茶葉の匂いにつられて、
キツネが数匹誘い出されてきていた。
おいら3人が横になって知らんぷりしていると、
たたったったったったたたったと、すぐ目の前まで寄ってくる。
ガエディは気になって気になってもうしょうがない。
いきなりガバッと起き上がると、
キツネを追いかけに走り始めてしまう。
「×◎▲□◇〒≈綺–∞¢¬≤µ∫√ç¬π!!!!」
…。
んで。ガエディくん、負傷。
目の前のキャンプファイヤーの跡上を
思いっきり素足で踏んでしまったのです。。。
火はもうだいぶ前に消したとはいえ、
まだそれなりの熱気が感じられ。
しかも周囲の枯れ草や、硬いトゲのある幹を
燃料にしていたものだから、
ガエディの裸の足にはかなり応えたらしい。
いや、おいらでも応えるだろうなぁ。
んで、ガエディ。
予想通りの大泣き。
「×◎▲□◇〒≈綺–∞¢¬≤µ∫√ç¬π!!!!」
「×◎▲□◇〒≈綺–∞¢¬≤µ∫√ç¬π!!!!」
「×◎▲□◇〒≈綺–∞¢¬≤µ∫√ç¬π!!!!」
「×◎▲□◇〒≈綺–∞¢¬≤µ∫√ç¬π!!!!」
「×◎▲□◇〒≈綺–∞¢¬≤µ∫√ç¬π!!!!」
「×◎▲□◇〒≈綺–∞¢¬≤µ∫√ç¬π!!!!」
「×◎▲□◇〒≈綺–∞¢¬≤µ∫√ç¬π!!!!」
おっさん、やさしく子守唄?を歌い出し、あやしていた。
まぁ、大事には至らなかったようで、
しばらくするとガエディは寝息をたてて眠ってしまった。
しばらくすると、
おいらの横で、おっさんも寝息を立て始める。
ますます、高度を上げるお月様。
いつの間にか音楽は、
ドビュッシーの「月の光」に変わっている。
今、この周囲で眼を覚ましている人間は、自分一人。
幻想的な時間空間にただ一人。
それだけでも不思議な感覚にさせられるのに、
砂漠という特殊の空間。
日本と同じ地球の上に居るのに、
どこか遠い知らない世界に迷い込んでしまったような気分になってきていた。
月の光に酔ったんだろうか。。。
煌々と輝く夜空を見上げながら、
いろんなことを考えているうちに。
しばらくすると、どうやら自分も寝息を立てているようであった。
第34夜につづくだろう。たぶん。。。